第150章 本当の笑顔

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20:02





ガチャリと扉が開いた音に私は一目散に彼の元へ駆け寄った





「お帰りなさい！！！！！」



「…………ただいま。」



ぎゅーっと抱き付けば花火みたいな匂いがして顔を上げれば彼は何故かふに落ちた様な眼差しを向けていた





…………だけどそんな事より


感じる温もりに泣き出してしまいそうになった




彼が帰って来てくれた




私を選んでくれた事が本当に嬉しい




昨日から幾度と過った永遠の別れは訪れなかったのだ


彼の愛は本物だった


彼の決意は本物だった



嘘だと疑った事は無いけれどそれを強く証明された気分に成って胸が一杯になる


大好きな彼が私の傍を選んでくれた事が幸せで幸せで仕方がなくて私はぎゅっと彼に抱き付いたまま少し泣いてしまった


彼はそんな私に小さく溜め息を漏らしたけれどそれすらも幸せで


そのまま軽々とソファーに抱き運ばれても頑なに胸へ顔を埋めれば




「お腹空いたんだけど。」



彼は微塵も思っていなさそうに抑揚無く言った


背中を撫でる大きな手はきっと私が泣いている事に気付いているけれど彼は何も聞いては来なかった




「………ご飯出来てます」



「知ってる……て言うか見えてる。」