ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第149章 私がかける言葉
一人頷いていると刺さる視線
「今日って何でもない平日だよね。」
「………?はい」
「…………………。」
彼はまだ何やら怪しんでいた
先程の言葉と深まった眉間にピンと来る
(………イルミさん何かの記念日やと思ったな………?)
意外にも記念日をしっかりと覚えてくれてサプライズなんてしちゃう素敵な彼の事、何の記念にも当てはまらずにモヤモヤしているのかもしれないし
記念日を忘れてしまっている事に罪悪感を感じているのかもしれない
彼に罪悪感という概念が存在するかは不明だが今は置いておき……
私は記憶を総動員して彼との日々を振り返っていた
彼の推理に便乗して実はこっそり記念日を祝っていた事にしてしまおう……!!!
しかも全然祝わなくて良いだろう的な下らない記念日で興味を削いでしまおう……!!!
「………イルミさん……実は………」
もじもじとしながら漏らした小さな声に彼は静かに視線を向けた
沈黙は話しの先を促す様に広がって私は控え目に唇を開く
「……今日……私の世界では好きな人にご飯をいっぱい食べてもらう日なんです………」
(………………なんやその日……どんな日やねん………)
交わった視線に唾を飲み込む