ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第149章 私がかける言葉
「何かあったの?」
「いえ!ほんまに気分が乗ってて作り過ぎました………」
「………髪型もいつもと違う。」
「それは気分転換です!!」
「………ふーん。」
全く納得していない様にすっと細められた双眼に内心ドキドキしつつも気付かないフリをしてパスタを貪る
…………ヤバい………やり過ぎた………
彼に何やら怪しまれている………ッ
本当は言いたい衝撃的な事実が沢山あるけれど彼に告げ口するのは違反だ
(実はランさんはイルミさんを狙う女豹なんですよーーーーーー!!!!!しかも私達勝負する事になりましたーーーーーー!!!!!)
……………とは……………言えない…………ッ
私は動揺を悟られぬ様に然り気無く席を立った
…………このままではヤバいのでいっそ酔っ払ってしまおう…………
「ワイン!イルミさんも飲みますか?」
「……………。」
ワイングラスは受け取るもののまだまだ何やら考えているらしく返事の無い彼のグラスに問答無用でワインを注ぎ
私は並々と注いだ自らのワインをゴクゴクと喉に流し込んだ
ワインを嗜む人が引きそうな飲みっぷりだろうが今の私には関係無い
…………勝負の件を悟られてはならない
仮に彼に告げ口したとしてどうなるのかはわからないがそれはしたくない
爆発してしまいそうな嫉妬心を抱いていた相手だけど私は何故か憎めずにいるのだ
彼の元教育係
彼が素顔を見せる程信頼する人物
彼に大胆なお色気攻撃をした事はかなりいただけないし彼を奪おうだなんて絶対に許さないけど
それ以外でのランさんはずっと私にも変わらず優しい人だった
それに私に宣言せずとも誘惑は続けられたし解らないけどもっと沢山やり方はある筈だが
堂々と私に宣戦布告する辺りいっそ突き抜けていて潔い人にも思えて………
…………いや………一応彼は妻のいる男性なのだから常識とか色々考えてしまうとあれだが………
とにかく!私は私のやり方で彼女と戦おうと決めたのだ