ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第148章 宣戦布告
「前にバカンス中だって話したけれど実は有給消化中でね、このバカンスが終わればあたしの教育係としてのお仕事はおしまいなのよ」
「……え?」
「引退よ引退、それで明後日にはこの国ともおさらばして南の方で優雅に暮らそうと思ってるんだけど…………ここからが本題」
「……………」
真っ直ぐに交わった視線の先開いた唇
「イルミをあたしにくれないかしら」
ニッコリ笑うランさんに私は目を見開いていた
……………………私は今何を言われたのだろうか………………?
…………イルミさんを…………くれ…………?
私の脳内は混乱を極めた
ランさんは仕事を引退する
そしてパドキアを離れて南の島に行って…………………イルミさんをくれ……………?!?!?!?!
何故そうなった………
言葉を巧く理解出来ずに唖然と固まる私にランさんは変わらぬ調子で言を紡ぐ
「あの子はずっとあたしにベッタリだったのよ?あたしにしか触らせないし気も抜かない……そんな子がまさか結婚だなんて、ねぇ?」
「いや………あの………」
「イルミを見付けたあの時から沙夜子ちゃんから盗りたいなぁって思ってたの」
「?!?!?!」
「ね、頂戴?」
クリッと首を傾げるランさんを前に追い付かない思考を手放して飛び出した言葉
「嫌です!!!!!絶っっっっっ対にあげません!!!!!」