• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第148章 宣戦布告



_________"




あれから数日が途方も無く憂鬱で仕方がない……………


ランさんは相変わらず無邪気な笑顔を浮かべる私にも優しいお姉さんだ

しかし彼との距離が近くて私の嫉妬心を擽る



彼の長い髪に触れる指先

彼の腕に絡められる身体

彼の膝に頭を預ける仕草




あぁ………自己嫌悪…………



ランさんは何も悪くない

彼だって何も悪くない

なのに溢れる想いは私を嫌な奴にしてしまう


何度吐き出しても尽きない憂鬱な溜息は無意識にまた口から漏れた


私は自分で思っているより随分と独占欲が強いのだなぁと思う

そう言えば古城のホテルでもお姫様に嫉妬して取り乱してしまったし……私は彼の事を言えないくらいのヤキモチ焼きだ




彼と色ちがいのマグカップを傾けながら全く内容の入らないテレビを眺めてどれだけ時間が経ったのか

同じ思考ばかりがグルグルと回ってうんざりとクッションに倒れ込んだ時、不意にチャイムが鳴り響いて私はビクリと跳ねた





素早くスマホを確認して見ても彼からの連絡は無くフロントからの事前連絡も無い………ならば誰だ………?


いや、以前にも…………


私はクロロさんやヒソカさんが突然部屋を訪れた日の事を思い出していた

確かあの時の私はビビりにビビりまくりベッドの下で震えていたのだった


そろりそろりと玄関扉に近付きながら頭に浮かべる見知った人々の姿



…………だけど違ったら……………


前の様に賞金目当ての人だったら………


バクバクと胸がうるさく騒いで冷や汗が背中を流れる中、物音を立てぬ様にそっとドアスコープに顔を寄せた瞬間



『あたしよあたし!!沙夜子ちゃーん!』


扉を挟んだ直ぐ傍から聞こえた明るい声にチキンなハートが震え上がって奇声を発しそうになった



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp