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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第148章 宣戦布告







ソファーで座る彼にベッタリ引っ付いて耳元で今にも触れてしまいそうに何かを話すランさんの姿

そして彼女の指先が彼の唇に艶かしく触れるのを私は見ていた


まるで恋人の様な二人


私はそんな空気感に圧倒されて暫くキッチンから動けなかった



身が裂かれる様に痛む胸

どす黒い感情が止めどなく溢れる



わかってるんだ


二人は私の心配する様な関係ではない

頭でわかっていても………………




私がリビングに歩み出す気配に離れる距離はまるで愛人と密会している様に見えた




そして今夜



遂に私の目の前で二人は密着したのだ



彼がソファーに座っている膝上に跨がったランさんは豊満な胸に彼の顔を抱き寄せて埋めた



私は瞬間に時が止まった様に感じた


瞬時に拒否を示して彼女を遠ざけた彼だがそんな事をされれば不機嫌になる人だと思っていた


彼が距離を縮めた訳では無く寧ろ動いていない

しかし緩やかな抵抗は全くの無意味で彼はされるがままだったのだ


笑うランさんの表情は口元だけが覗いていたけれど私に向けるそれとは違いどこか誘惑的で


時間にして見ると数秒間


彼は実にやんわりと身を引き剥がし怒る事も無く呆れた様な表情で溜息を付いた



私は今どんな顔をしているだろう

バクバクとうるさい鼓動はその度に嫌な感情を巡らせて


ぎゅっと拳を作った私の左手をランさんの無邪気な笑顔だけが静かに見ていた



彼が本気で抵抗したならきっと彼女はあんな事を出来なかった筈なのに………





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