ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第147章 嵐吹き荒れる前の
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私達は美人女性ことランさんと三人でお茶をしている
木漏れ日揺れる爽やかな庭に色を放つ男女………………
何故このような事になったのかと言うとランさんは元々彼専属の教育メイドさんだったらしい
今はゾルディックとは違う家に使えているが久々の長期休暇にバカンスに来たそうだ
ゾルディックに一度入ってその様な事が可能なのか……とは思ったが私には知り得ない特殊な専属部署らしい………
私は彼の反応にも漸く納得して懐かしさに声色明るい彼女の「席をご一緒して良いかしら」という言葉に頷いたのだ
取り払ったサングラスから覗いた美しいグリーンの瞳は本当に嬉しそうに輝いていて
先程迄のジェラシーも無くなっていた
その眼差しがまるで母性を感じる優しい物だったからかもしれない
最初、わざとらしくイルミ様と彼を呼んだランさんだったがそれは冗談めかしたものだったらしく今はとてもフランクな印象を受ける
近くで見ればより一層美しく妖艶なランさんは私にニッコリ微笑み
彼はずっと面倒臭そうに頬杖を付いていてまるで勉強が嫌な子供みたいな印象から本当にランさんは彼の教育をしていたのだと感じた
ほのぼのと続く会話は穏やかで私はクスリと微笑んだりしていたのだが
「沙夜子ちゃんはイルミのお友達?」
「え、あの…………「妻だよ。」
彼の言葉にランさんの大きな瞳が見開かれた時胸が妙に騒いだ
ザァっと風に木々が揺れる間もない沈黙の中「イルミは随分趣味が変わったのね」と小さな呟きを聞いた気がして
それでもにこやかに声を弾ませたランさんが本当にそんな言葉を発したのか、はたまた私の空耳か全くの判断が付かなかったけど
きっと私の空耳だろうと思う
見た目から少し年上の綺麗なお姉さんは私の事を可愛いと褒めてくれたりイタズラな表情で若かりし彼の失敗を面白おかしく話す姿からは嫌味の欠片も感じず
同性と接する機会の少ない私はあっという間に仲良くなっていた