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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第26章 彼の気持ち





07月27日


私は広いベッドの上で只眠る彼を眺めて幸せの溜息を吐き出し夢の様な昨日を思い返す


昨日は色々とカルチャーショックが多分に含まれた慌ただしい1日だった
しかしホテルに到着してからはゆっくり彼とテレビを見て過ごし
アパートと変わらず私の隣でバリバリ音を経ててスナック菓子を食べる彼に癒された

夕食はルームサービス

部屋に運ばれて来たのはフレンチそのもので絶品の数々に感激した

お風呂ではキラキラ輝く夜景を独り占めした

…………そして…………



__________"



「お風呂上がりました!」


「うん。」


部屋備え付けの肌触りの良いガウンを身に着けて私はご機嫌で彼の隣に腰掛けた


「夜景がめちゃくちゃ綺麗ですよ!もうキラッキラ!!このビルが高いから凄い遠くまで見えるんですよ!」


なんて興奮気味に喋っていた私だが組んだ長い脚に頬杖を付いていた彼があまりにも真っ直ぐな視線を向けるので言葉が詰まってしまった


「……………とにかく!イルミさんもあっちのお風呂に入ったら」


私の言葉が途中で出なく成ったのは
彼が突然私を抱き寄せて其の腕の中に閉じ込めてしまったからだった

組んでいた脚に跨がる形で向かい合った私達

静かな部屋に私の心音だけが聞こえている様な気さえする

ぎゅっと回った腕、胸元に埋められた彼の頭にぎこちなく私も抱き締め返せば彼は更に私をぎゅっと抱き締めた


更に速まった鼓動はきっと彼に聞こえてしまっている………なんて思っていると


「沙夜子の心臓凄く早いね」


なんてくぐもった声が聞こえて私は身体中が熱くなった


「イ………イルミさんがいきなり………」


なんて言葉を紡げば不意に腕の力を緩めた彼が悪戯な瞳で私を見上げるので再び口ごもる


「俺が何?」


解りきった答えを白々しく促す彼に赤く染まった頬を隠す為そっぽを向いたのだが

その途端に彼は私を軽々持ち上げて隣のスペースに下ろした後、何事も無かったかの様に立ち上がり


「…………?」


「俺もお風呂に入って来るよ。」


何時もの声色で言い放った



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