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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第146章 穏やかな午後






05月08日



彼は一週間の留守の後毎日ホテルに帰って来てくれている



時間は昼間だったり深夜だったりバラバラながら事前にメールで大体の時刻を知らせてくれる事により私は毎日手料理で彼を出迎えた


彼と会えない日々が続いていた時は本当に脱け殻状態で毎日をぼんやり過ごしていたが

身体が基盤の彼の為に栄養満点の温かな手料理をと奮起した途端に毎日は楽しいものになった


彼が留守の間も大好きな彼の為に下ごしらえをしたり食材が部屋に届くだけでウキウキと胸が弾んで

素敵だった庭が更に素敵に輝き出すのだから私のメンタルは随分と影響されやすい




窓を開ければ吹く風はすっかり温かくなり新緑は先月よりも濃い色に揺れていて

太陽光の眩しさが日に日に強くなるのを感じながら私は彼との穏やかな時間を染々と噛み締めていた


確実に近付く夏の気配に胸が痛む事は多々あるけれど

今の私は彼に贈られた輝く薬指の指輪だけを頼りに前を見ている


私手作りの昼食を綺麗に平らげた彼が「美味しかった」と言ってくれただけで心が満たされて


コーヒーの香りが揺れる午後


私が彼を見詰めているなんて、いつもの事で彼の事を考えているのも本当にいつもの事


最早私の日課であり、趣味の様なものなのだが……ふと好奇心が芽生えた


彼から与えられたパズルを地道に半分程組み立ててすっかり集中力が切れたというのもほんの些細な要因だった





「イルミさんって怒りませんよね」


「………は?」



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