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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第145章 手懐けた猛獣








「痛い痛い痛いっっ!!!!!」



悲痛に響く私の叫び声


しかしその後も彼は痛みもがく私を抱き締めて動きを封じたまま何度も噛み付いて



生理的な涙がポロリと頬を伝う頃


彼は容易に私の身体を反転させ、互いに寝転んだ状態のまま顔を合わせた




「…………イルミさん………痛いです………」


「俺が噛んだ場所には太い血管が通ってるんだよ」



涙声の私に謎の発言を浴びせる彼と見詰め合う




「首って弱点だらけで無防備だよね」


「……そんな弱点だらけな所噛んだら駄目でしょ…………」


「どうして?沙夜子の無防備な場所に触れられるのは俺だけの特権でしょ?」



悪びれる様子も無くキョトンと言った彼はまるで私が生きている事を確認する様にドクドクと脈打つ首筋を指先でなぞって


私の頬がすっかり赤く染まる頃には満足した様に離れて行った



まるで悪戯な戯れはやはり猛獣にじゃれ付かれた様に刺激的で




『俺だけの特権』だなんてズルい人だ……………



私を散々ドキドキさせておいて……気まぐれに離れるだなんて………………好きっ



そんな私を置いてけぼりにしれっとソファーで脚を組んだ彼は実に淡白な声色で何事も無かった様に



「やっぱり犯人はジョシュアだったか。」


サスペンスドラマに一人言を漏らしたのだった



「………………」


「何。」


「……………いえ、猛獣っぽいなって」


「は?」



…………………………………好き。







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