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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第145章 手懐けた猛獣




18:27




夕飯が運び込まれ私は今日も味気無く一人でテーブルに座っている


しかし昨日迄と違うのは若干の疲労を感じている事だ

私は喋り疲れていた


疲れる程一人で喋ったなんて考えてみればゾッとするが

無言よりは幾分か気持ちの安定を感じる事が出来たので明日も実行する事を心に決める




「いただきます!」



カチャカチャと食器の音が広いリビングに響いて嫌に耳に付く

一人分の食事の音は他に誰もいないのだと強く主張して

薄暗い夜の気配を見せる窓の外からそっと目を逸らす

人間が孤独を強く感じるのは夜だと思う

昼間を何とか乗り切っても長い長い夜が待っている



私は其れを誤魔化す為にテレビを付けた

大勢の笑い声が賑やかなバラエティー番組が大画面に写し出されて部屋の静寂は消えるけれど

一人で見ているテレビはつまらなくて内容は全く入ってこない



早く帰って来ないかなぁ………なんて事ばかり考えて

頭に浮かぶのは彼の姿ばかり


深い溜息を吐き出してはフォークを唇に運んで

随分と時間を掛けて漸く夕飯を終わらせた



「ごちそうさまでしたぁぁぁぁ…………イルミさんご飯食べてますかー!!!」



叫び声に反応した様に回る回し車の音に耳を傾けながら私は何故かアパートでの日々を思い出していた




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