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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第144章 涙と私達



___________"




到着を知らせる汽笛が鳴ってダンさんとアキホさんは船を降りた


私達はそんな二人をテラスから見送り大きく手を振った


そんな私を振り返って手を振りながら歩み出した二人の背中は小さく消えて





私は部屋に戻った後もテラスのデッキチェアにてぼんやりと海を眺めている


二人とお別れした事は勿論寂しい


だけど今私の胸を締め付けるのはまた違った感情だった




共通点が沢山あっても私達と歩む道は全く違うのだと無意識に比べて再確認してしまった


アキホさん達を少しでも羨ましいと思ってしまった自分が全くもって浅ましく感じる一方で

そう思えば思う程虚しくなる




私達とは違うなんて、私が異世界人な時点で百も承知で何を今更なんて言い聞かせてみても

漠然と迫る壁を見て見ぬフリ出来る程今の私には強さが無かった





開いた日記のページ


日付は去年の07月25日



私が異世界にやって来た日だ




何の成長も無い自分の字体はその日の不安や弱音、そして希望を綴っていた



日に日に増えた思い出とページ



元の世界に帰ったら家族に話そうと何も忘れない為に始めた日記は残り三ヶ月で終わってしまう





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