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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第25章 ヨークシンの体育館






…………………まだ私が来ているなんて真実か解らない段階でも彼は私を心配し気遣い、花が好きだなんて事迄考えてくれていたなんて私は嬉しくて嬉しくて仕方がなくなってしまった

平凡な生活を送っていた私にはまだまだ状況に付いて行けていないけれど、とにかく溢れる幸福を笑顔に乗せて


「ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!」


彼に伝えれば彼は僅かに表情を緩めた後に「別に。」と言った



__________"



私達は広い広いリビングのソファーの端っこに並んで座っていた

距離的には座椅子の彼と狭いちゃぶ台に並んで座っていたのと何ら変わらない事に笑ってしまう


「…………何。」


私が突然笑い出した事が理解出来ないと言った様に僅かに眉を潜めた彼に笑った理由を説明すれば彼はぐるりと部屋を見渡した後に


「本当だね。」


納得した様に呟いた


「…………あ!そう言えばイルミさんいつから私の家族に正体バレてたんですか!私びっくりしたんですけど」


「…………話してなかったっけ。」



「話してませんよ!弟から聞きました!」


その後私は彼が居なくなった世界で過ごした時の事を話した

彼は時折ポツリポツリと相槌を打って話しを聞いてくれた





「…………あ!」


「…………今度は何」


私が異世界へ旅立つ日家族で送別会をした時の事だった

『これイルミ君に手紙、会ったら渡しといて!』

母に託されていた手紙の存在を思い出し、リュックから引っ張り出して彼へ差し出す


「………何これ。」


「母からの手紙です、預かって来たんです!」


「……………。」



彼はじっと便箋を眺めた後に持参していた私物のアタッシュケースに仕舞い込んだ


「…………読まないんですか……?」


今読むとばかり思っていた私は実の所その内容が気になっていたのだが彼宛の手紙を勝手に読む訳にも行かずこの時までずっと我慢していたのだ

彼が読んだ後なら読んで良いだろう………なんて思っていたのに


「また今度読む。」


なんて言われて落胆してしまった



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