ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第143章 オーロラ夜空と彼とお話
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私は勝手に一人で立てた誓いに胸が熱くなった上にアルコールの力も後押ししてディナー中ずっと『私が貴方を支えます!』的な事を彼に語った
所謂自分に酔いしれていたと言うか、本気で気持ちが昂っていた私は恥ずかしながら優雅なクラシックをガン無視で語り続けて
彼は目は合わせているが全く話を聞いていない風に黙々と食事を口に運んでいたが
彼に私のパッションが少しでも届いたのなら大変満足だ
今私は少し冷静さを取り戻し、静かに22時から開始のサプライズイベントを待っている………のだが
「何してるの、帰るよ。」
「…………え……」
唐突に席を離れて立ち去ろうとする彼の姿に間抜けな声を漏らした
「待ってください、……ほら!招待状にサプライズイベントって……」
彼から手渡されて持っていた招待状を彼に広げて見せる
よくわからないけれどこんな素敵なディナーをサプライズする客船のイベントなんて凄そうだし
庶民的な私には想像も付かない華やかな何かが開催されるのだろうとワクワクしていた私にとって、このまま部屋に帰るという選択肢は頭の中に全く無い事だった
しかし彼はチラリと招待状に視線を落とした後私を真っ直ぐに射抜くと
「もっと良いもの見せてあげるから帰るよ。」
耳元に囁くという反則技を使い
私は何も言えぬまま頬を染めて黙って彼に連れられて帰る事と成った
…………私が彼に逆らえる事なんて早々無い。