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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第143章 オーロラ夜空と彼とお話



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20:37


私達は装い新たにディナーへと出向いていた


それなりに長い航海の中ですっかり食事エリアを把握した私だったが今夜は彼に連れられるまま真逆の方向へと長い廊下を歩き


やって来たのはオーケストラが舞台上で生演奏を奏で、大きなシャンデリアが垂れ下がる何ともお上品な空間だった


思わず小さな歓声を漏らしながらも見渡せば

どうやら本来オペラハウスとして使用されている部屋らしく、特徴的な縦長の舞台は重厚なワインレッドのカーテンを下げている


わざわざドレスに着替えて、だなんて疑問に思っていたけれど

これはドレスコードを遵守しなければ浮くどころか足を踏み入れる勇気すら湧かなかっただろう………なんて考えながら


キョロキョロと最早挙動不審に空間を見渡していると彼は黒いスーツジャケットの裏から何かを取り出して単調な声を発した



「クルーズ期間中、三日間のみディナースペースとして開放されているらしいよ。」


「へー!!凄いですね……何と言うか華やかと言うか……」


「そう。」



特段興味無さそうに前だけを見据える彼だが私の視線は彼の手元をぼんやり見詰めていて

それが刺さったのか彼はチラリと視線を落とした後、手にある物を私に手渡した



手の平サイズ紺色のカード



開いて見れば招待状と書いてあり、今夜のディナーコースと22時からはサプライズイベントが開かれるのでお見逃し無くと書いてある



「………何これ、素敵………」


「……………。」



カードの正体は客船側からのサプライズサービスの粋な招待状だったのだ




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