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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第142章 永遠を刻む氷






皆が同じ方向を目指して流れている人波に沿って進行方向へ歩きながら


頭に思い浮かべていたのはピラミッドや何とか教会なんて場所に安置された偉人のお墓


お墓が観光地なんて奇妙だと思ったけれど私の世界にも似た様な観光地は存在していて

日本で言うなら高○山なんてのも所謂そういう観光地になるだろう


しかし私達が今いるのは極寒の国

そして異世界だ


果たしてどんな場所なのだろうとワクワクしながらも胸に抱いた花束に目を落とす

大きな花弁が沢山付いた紫の花は私の世界には存在しない花だけどその美しさは変わらず


生花特有の甘い匂いは町中から漂って鼻を擽りそっと顔を寄せれば



「クリンアイスには本来作物に咲く花以外存在しないんだよ。」


淡々とした声が降った



「え、そうなんですか?じゃあこの花はじゃがいもの花とかですか………?」


「この日の為に諸国から大量に輸入してるらしい。」


「へー!!……それだけ大切な日なんですね!」


「そうだね。」



花束を手に穏やかに言った彼の横顔を見詰める


暗殺者が死者に花を手向けるなんて不思議だけれど


彼はその無表情の下で何かを感じたりするのだろうか………





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