ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第142章 永遠を刻む氷
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その後見事に切なさの欠片も無く彼に大興奮でシャッターを切る私を彼は無き者として扱った
私は俄然慣れているので別に気にする事も無く彼の麗しい姿を残せた事実に大変満足している
そして、フロントにてチェックアウトを済ませた私達は狼達と最後のお別れをしていた
飼育員さんの手前かお部屋で遊んでいた時よりも控え目にスリスリと身体を寄せる巨体を撫でながら背中に乗せてくれたゼロちゃんにお礼を伝える
「うはーっ可愛いっ!ありがとうゼロちゃんありがとう!!」
そして少し離れた場所で凛々しく座っているリーダー、ハンクへも手を伸ばしたのだがやはりハンクは最後迄私に撫でさせてはくれなかった………
しかしながら、私に付き合っているだけで別段興味無さ気な彼の傍に少し距離を取りながらも伏せている姿が可愛い上に
白仕様の彼とホワイトシルバーのハンクの姿はまるで飼い主とペットみたいにお似合いで
やはり触ってみたいと近寄ってみたが彼の反対側に移動する頑な姿勢に笑ってしまった
そんな様子に飼育員さんは少し困った様に笑い
「すみません、愛想があまりよろしく無い子で……」
「いえいえ!本当、ボスって感じですよね!」
なんて談笑している内、感心した様にこの子達がこんなに懐く事は珍しいのだと教えてくれた
私は動物が大好きだ
動物は自分を好いている人間がわかると言うし、きっとゼロちゃん達に私の好意が伝わっていたのだろう………なんて胸が綻んでいたのも束の間
飼育員さんは驚きの事実を口にした
「……………え?ハンクって女の子なんですか…………?」
「はい、この群れ唯一の女の子です」