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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第142章 永遠を刻む氷








彼に魅力的に思われている証拠だし毛布を掛けるという優しさポイントを抑えている彼は何て素敵な人なのだろう……




私の中の妄想はどんどんと膨らみ現実が一切見えなくなった時


私はいつの間にかちょっぴり良い女気取りで髪をかき上げながら彼の座るテーブルまで歩み寄っていた


彼はそんな私に心無し凍てつく様な怪訝な視線を送っているが無双ゾーンに入った私は実に乙女な反応で彼の目の前に座った



「………ちょっとイルミさん………」


「……………。」






「寝込みを狙うなんて……大胆過ぎます………」






(きゃーーーーーーーーッ!!!!言ってしまったーーーーッ!!!!!)






チラリチラリと彼を見詰めながら照れ死にそうに紡いだ言葉






「は?」




彼は眉を思い切り寄せて一層怪訝な表情で私を見ていた




…………………。





「……………………ん?」







何かがおかしい





……………これは……………






そう後悔する頃には時既に遅く





「暑いって自分で脱いだんだよ。馬鹿じゃないの。」




彼は心底呆れた様に溜息を付いた後バサリと新聞を広げて


自身の解釈が全て都合の良い妄想だったと突き付けられた私は大量の汗を吹き出しながら発狂した






「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……………忘れてくださいッ!!!!」




「……………。」






……………私は石か何かになりたい………



何がちょっぴり良い女だ



何が大胆で素敵だ




全ては寝惚けて自らで招いた間抜けな諸行だったなんて………


私は自ら衣服を脱ぎ捨て明るい室内で見るに耐えない醜態を晒したのだ…………


そしてそんな私に彼は呆れながら毛布で目隠しをしたのだろう……………




…………勘違いも甚だしい…………ッ




そして先程までの私の態度はそれこそ痛々しい勘違い女だった




顔を上げて見れば彼はそんな私を完璧に無視していて




「…………おはようございますからやり直して良いですか…………」




震える声で紡いだ言葉に



「………時間は元には戻らない。」



彼は無情な現実を突き付けたのだった





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