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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第141章 小さな伝説と溶ける幸せ


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彼女は馬鹿みたいにはしゃぎまくって糸が切れた様にそのまま眠ってしまった

部屋に響く呑気な寝息を聞きながら何気無く置かれたままだったホワイトラッシュの案内マップを手に取る


紙の端に描かれたイラストはコロボックルと言われる小人で

良く描かれたイラストだと思った




伝説だなんて馬鹿気た話に興味は無いのだが彼女は見られなくて相当残念だったのだろう


あの時の間抜け顔を思い出しながらマップを手放せば



ヒラヒラと舞って床に落ちた先


彼女をぐるりと囲み込む様に7匹の狼は折り重なって眠りについていた

まるで狼を枕や布団にする様に獣にまみれながらスヤスヤと眠る彼女


チラリと隣を見遣ればボス狼は自身の傍で身を伏せて此方を見ていた


「………なんて言ったっけ、お前達帰らないの?」


ボス狼の尻尾がパタンと一度だけ反応してそのまま瞼を伏せる姿に頭を掻く

どうやら出て行く気配すら無い




依然スヤスヤと呑気に眠る彼女


あれだけ暴れたのだから無理は無いが軟弱な身体に薄いガウンでは心許なく、せめて寝室に運ぼうと一歩を踏み出したのだが



「………んぅ…………暑い………」



寝惚け眼で上体を起こした彼女はいそいそとガウンのボタンを外し始めたのだ



「……………。」



ガス灯に照らされた室内で自ら衣服を脱ぐなんて普段目にしない光景


上はキャミソール、下半身は下着を露にした彼女は何とも無防備な姿で自身にへにゃりと微笑むとそのままに狼の毛に埋もれてしまった


寝惚けていなければ目にする事も無かった自身には無い柔らかな肌はガス灯に揺れ


そして長い癖毛をシルバーの毛にちりばめて眠る彼女の姿はどこまでも安堵に満ちていて


馬鹿みたいに呑気なその姿がどうしようも無く美しく見えた




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