ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第141章 小さな伝説と溶ける幸せ
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私達はホワイトラッシュの村を散策した後、再び狼達と銀世界の絶景スポットを巡りクリンアイスのホテルへと戻った
夕飯はまたもや豪勢なもので優雅に堪能した後交代で入浴を済ませて静かな空間で夜景を眺めていたのだが
「扉の前に狼が来てるよ。」
「…………え?」
「…………そう言えばたまに懐いた客の部屋に居座るってフロントで言われた。」
彼は思い出した様にポツリと漏らした
じっと見詰め合ったのはほんの数秒
その表情から特に私を引き留めるつもりも無いのだろうと察してからの私の行動は早かった
扉を開け放ち部屋に飛び込んで来た狼の数は7匹…………と思いきや群れのボスであるハンクも現れるものだから
先程までしっとりと心地好い静寂に包まれていた私達の部屋は一気に賑やかなものとなった
名残惜しくお別れしたゼロちゃん
今日1日の素敵なメモリアルを残してくれた狼ちゃん達が所狭しと駆けずり回るのだ
千切れんばかりに振られた尻尾から何から何までビッグサイズな狼達を私は興奮乱舞で迎え撃つ
ハンクただ1匹のみは何をするでも無く彼の隣に鎮座しているが
ゼロちゃん含めた他7匹は全力では無いにせよひっきりなしに私へじゃれつく
「うはっ……私狼人気凄い………!!」
「………………。」
私の好き好きビームを感じ取っているかの様なはしゃぎっぷりは更に私を大喜びさせて
有頂天に浮かれながらフワフワ達を撫で回し、これだけ大きいのだからと胸へ顔を埋めて抱き付いてゴロゴロしてみる
動物好きの私としては大型の肉食獣とやってみたかったランキングを網羅する天国の様なラインナップだ
引っ張りあいっこと言うよりは振り回されるだけだったりとにかくダイナミックだが
フワフワの狼達にまみれて遊べるなんてたったの一回切りの経験だと思っていた私はここぞとばかりにエンジョイして
どれだけの間、狼達に負けず劣らずの歓喜っぷりで全身全霊を注ぎ戯れたのだろう
私は全体力を使い果たしていつの間にか夢に旅立っていた