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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第141章 小さな伝説と溶ける幸せ







「お邪魔します……!」



なんて謎に畏まりながら開いた扉


雪の地面から離れた空間は想像よりもずっと暖かく、可愛いらしい笑顔の店員さんが「此方のお席へ」とレトロな暖炉の傍へ誘導され


窓の外には村の雪景色、そしてレストランの中は暖色で纏められたポカポカの空間で

コートやマフラーを取り払いながら自然と笑みに成った私だが



「外観もやけど、中も素敵ですね!」


キョロキョロと辺りを見渡した後頬杖を付いた彼は


「貸し切りレストランなんて言うからどんな所かと思えば小屋だなんて思っても見なかった。」


無表情ながらお気に召さない風に溜息を付いた


「小屋じゃなくてツリーハウスですよ!木の上ですよ?」


「木の上の小屋じゃん。」


「ツリーハウスです……………」


「ま、別にどっちでも良いよ。」



彼はどうやらツリーハウスから溢れる可愛さが理解出来ないらしく興味無さ気に呟いた


そう言えばパドキアの村で過ごした田舎のホテルの事も気に入ってはいなかった様だし

彼からしてみれば沢山の雑貨で飾られた場所よりも広く荘厳な場所の方が好みなのだろう

ご実家がご実家なので無理は無いけれどこの喜びを共有出来ないのは少し寂しく思った



窓から見える村の景色に目を向けていると元気に遊ぶ子供達が異様な迄にサラリと雪だるまを作る姿が見えて流石雪国だなぁと感心する


ぼんやり物思いに耽っていると横顔に刺さる視線にドキリと心臓が跳ね上がった


チラリと確認してみれば彼は頬杖を付いたまま何をするでも無く真っ直ぐに私を見ていて


じわりじわりと熱くなる頬に夢中で窓の外を見ているフリをした


彼が何を思っているのかはわからないし何を感じているのかもわからない、もしかしたら何も考えていないのかもしれないけれど


彼の瞳に写る私が少しでも可愛いと思ってもらえていたら………なんて願ったりした




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