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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第141章 小さな伝説と溶ける幸せ







前を行くシルバーホワイトの毛が王々しいハンクに跨がる彼は艶々と長い髪を靡かせながら時折美しい横顔を覗かせる

辺りの景色を眺めているだけで特に私を振り返っている訳では無いけれど

その黒い瞳で見詰めた景色は彼の中でも美しいと感じられているのか想像するだけで胸がキュンとして……


彼の姿をガン見しながら脳内妄想を繰り広げ、ゼロちゃんをなでなでしている内にいつの間にか目的地へと到着していた




グラスブルー


言葉の響きだけでも美しいその場所は

割れた氷が幾重に重なり空の青を映してサファイアブルーに輝く絶景スポットだった


不思議なのはその場その場によって輝く青の色が違うという事で青と一口で言ってもクリンアイスの水色がかった青とも天使のシャワーの深い青とも違っていて

青一色の中でもこれ程迄に違いがあるのかと驚かされる


更にグラスブルーに真っ白な雪が積もり鮮やかなコントラストは眩しい程に輝いていて、まるでふわふわの綿毛に包まれた宝石がちりばめられている様な光景に息を飲んでいると


グラスブルーは主にブリザード等の気象が作り出す代物で人工的に作ってもこの様な色味にはならないのだと話すガイドさんは



「個々で形が違いますから、是非見て回ってください」



ニッコリと私達に暫しの散策を勧めてくれて


正直、遠くから眺めるだけなのだなぁ……と残念に思っていた私は嬉々として雪面に降り立った


のだが……ギュッと鳴るまっさらな雪を踏み締めた途端に膝下迄ズボリと足が埋まってジーンズ越しの冷たさに肩が跳ねた

ゼロちゃんに乗っている時は気付かなかったが、グラスブルーへ近付こうとしても町中より随分と積もった雪が足元を邪魔していて思うように進めない



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