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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第140章 国の歴史と駆ける狼







爽快に滑り降りた先には何処までも続く銀世界


狼達は足場の悪さを感じさせる事無く颯爽と走り出す


頬を切る風は冷たく吹き付けてマフラーに顔を埋めなければ凍えてしまいそうで

しかしながら猛スピードで雪道を駆けるなんて人間には出来ない体験を擬似的に感じられる今を私は心底楽しんでいた





ゼロちゃんに揺られながらビュンビュン過ぎる景色を楽しんでいる内に到着したのは天使のシャワーと呼ばれる場所



所謂凍った滝だった




「…………凄い………!綺麗……………」


「思ったより大きい。」



凍った滝、なんて簡単に言っているが普通こんな水量が流れ落ちたその時のまま固まるなんて事は私の住む場所では有り得ない光景だった


高さは約50m、見上げれば天高く幅は30mはありそうな圧巻の迫力

そこから数億もの氷柱が垂れ下がっているのだが水の動きをそのまま止めた様に滑らかな形状に息を飲む




「クリンアイスにもごく僅かながら春があり、一年の内たった一ヶ月だけ溶け出した滝はこの一帯に湖をつくるのですよ」


「へー…………え、じゃあ私達が立ってるここって……」


「ルーバ湖の真上です。張った氷が厚いので割れる心配はありませんが、5m下は凍らずに湖が存在しているんですよ」


「へー!!凄い!!」


控え目に甘える狼ちゃんを撫でながらニコニコと説明をしてくれるガイドさん


私は恐る恐るその場でジャンプした


とは言え5mも凍っているのだから平気だろうと確証があるからで決して割りたいなんて思ってもいないけれど


そんな私を見ていた彼が無表情のまま


「………割ってみる?」


なんて言うものだから途端にゾッとして全力で首を振った




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