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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第140章 国の歴史と駆ける狼






その後私達は係員さんに丁寧なレクチャーを受け乗馬の様なスタイルで人生初の乗狼ツアーはスタートした


このスノーウルフツアーは少人数完全予約制で事前予約が無ければ体験出来ない宿泊客一組のみと限られたツアーらしく



私のパートナーはゼロちゃんと呼ばれるスノーウルフ

しっかりとした骨格やワイルドな見た目は野性味満点だが撫でれば尻尾を振ってくれる可愛い子だ


一方彼のパートナーは群れのボス、ハンク
他の狼達と一線を格した存在感を放ち、一回り近く大きな身体は競走馬を越えてばんえい馬程もある

そして彼は撫でる事もしなければハンクは尻尾を振ることも無く


印象としては孤高の一匹狼だ


係員さんが言うには係員さんの中でも特定の一人を気紛れに乗せる事はあっても決して媚びないと言うのだから今の光景がどれだけ凄い事なのかを伺い知る事が出来た



そもそも狼に乗っているという今この状況すらも凄い体験で

私は感動と興奮にワクワクしながらもゼロちゃんの背に揺られる



ツアーガイドを勤める係員さんと私達の三人と三匹で行くツアーなのだがガイドさんですら決してハンクの前を歩かない辺り、群れの秩序がしっかりと形成されているのだなと思いつつも



笛の音で走り出したスピードの速さに手綱を掴むのに必死だ


私はてっきりクリンアイスの町中に出向くとばかり思っていたのだが冷静に考えてそれは無いし、

狼達が走っている方向的にも目的地は別だとわかる


ホテルの立地が氷壁面の中腹辺りだと説明したがその壁面にはトンネルがあり、狼達は其所に飛び込んだのだ



「……っきゃあ!!!」



四方を氷で包まれたその場所はトンネルと言うより滑り台の様な場所で走っていると表すよりも身を低くして踏ん張っている姿勢から恐らく滑り降りているのだろう



しかし、乗っている私からしてみれば突然始まったジェットコースターと変わり無く

最初こそ驚いてしまったが損なわれない安定感にすぐに楽しい気分に成った





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