ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第140章 国の歴史と駆ける狼
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彼の手の温もりやその優しさを染々噛み締めながらも強いトキメキに俯いてばかりの私だったが
彼はそんな私を気に留める事無くオプショナルツアーの集合場所へと連れ出した
連れ出したとは言ってもホテルのフロントやバンガロータイプの客室が円を描く様に並ぶこの施設の中心はポッカリと何もない広大な広場になっているのだが
広場中央を目指して少し歩いた所で私は真っ赤な顔も忘れて大いにはしゃいだ
私達の目の前に現れたのは超大型の狼の群れだったのだ
競走馬程ありそうな大きな身体は極寒の地で生き抜く為にフワフワとダークシルバーに輝く長い毛を揺らす
そんな圧巻な風貌の狼が8匹も目の前に現れては当然驚きと恐怖を感じたのだが
手放しではしゃげたのは狼達の飼育員さんらしき人が何の危な気も無く撫でている光景からだった
「お待ちしておりました、カルラ様」
なんて聞き覚えの無い名で呼ばれながらも
「スノーウルフに乗って観光をするツアーだよ。」
と言った彼を満面の笑みで見上げる
確かにこれは私の大喜び間違い無しのツアーだ………!
更には彼のサプライズ………!!
私はこの上無く浮かれていた
「先ずは個人の相性をチェック致しましょう」
飼育員さんの言葉と誘導により大迫力の群れの中心に立たされた私達
内心バクバクと早い鼓動には好奇心と興奮、そしてちょっぴりの恐怖が混ざる
手を伸ばして匂いを嗅がせて反応を見るとの事でおずおずと手を伸ばした私だったが
「うわぁ!!」
私が手を伸ばした途端に人懐っこく顔を寄せた狼は私の手をペロリと舐め上げると熱烈なスリスリを始めたのだ