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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第140章 国の歴史と駆ける狼







彼はいつでも然り気無い故にその凄さに気付き難いけれど

彼は言葉では無くその行動で彼なりに私を愛してくれているのだと思えばいてもたってもいられず再びベッドルームの鏡前に立った


こんな私を彼は目一杯大切にしてくれている


決して当たり前では無く特別な事


太腿丈のニットワンピースにスキニージーンズ

シンプルながら彼が揃えてくれた洋服は上質で良い物なのだろうと思う

そしてジャポンで贈られたマフラーと手袋

クリーム色のコート迄全ては彼からの贈り物


それらに身を包みお化粧に色付いた唇


少しでも可愛いと思ってもらえる様に頑張ったふわふわのお団子ヘアー


彼を待っているこの時すらも想いは溢れて


リビングルームに響いた物音は帰宅を伝える様に彼がわざと立てたのだと気付いて

私は彼の元へと扉を開いた



「支度出来た?」


なんて言いながら振り返った彼はどうやら窓からの町並みを眺めていた様で

長い髪がサラリと肩を流れ落ち、その瞳に真っ直ぐ私を捉えるものだから思わず見惚れてしまい立ち尽くす


太陽にキラキラと輝く眩い氷の町を背景にしても彼の美貌は全く劣らず


むしろ、白く透き通る肌と双眼の黒を際立たせる様に一層美しく見えた


薄手ながらニット生地のセーターとジーンズ、そして黒いロングコートと別段飾り立てている訳では無いのに
その存在の隅々迄全てに魅力を纏い


「珍しい髪型だね。」


なんて言いながら私のお団子にちょこんと指先で触れた彼は長い睫毛を僅かに伏せて笑った

途端に厭らしさの欠片も感じさせ無いのに妖しく漂う色香にクラクラとして

ぎこちなく笑みを返した私の手を彼はしっかりと握り締めて歩き出した


「実はこのホテルのオプショナルツアーに申し込んだんだけど、沙夜子が好きな感じだと思うよ。」



………………あぁ、私は何て幸せなのだろう…………







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