ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第139章 温泉の湖とタイミング
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18:17
私達はその後温泉湖をたっぷり一時間半堪能し、ポカポカの身体で再びトロッコ列車に揺られてクリンアイスに戻った
帰りのホームにて私と同じく震える男性を目撃した事は今となっては良い思い出だが
傍目から見るとあんなに奇妙で豪快なムーブだったのだと思えば不謹慎で申し訳ないが彼が笑ってしまうのも納得し、そして激しい羞恥に苛まれた
呑気に我が身の恥を後悔出来るのも男性が直ぐに救出されていたからだけれど………
と、そんな事よりも私は今目の前に広がる光景に視線を奪われていた
「…………凄い………………」
本日の観光は全て終了し、私達は宿泊するホテルへと戻った
戻ったとは言っても昼間荷物を預けにフロントを覗いたくらいだが、住宅地から少し離れたホテル激戦区の中でも一際敷地の広い其処は
町を囲む氷の壁面を山に見立てた中腹の高台に位置しており、行き帰りゴンドラと楽しさ満載だ
ホテルのフロントは街中で見た雑貨屋さんの雰囲気を思わせる小物や壁にはめ込まれたタイルがレトロ可愛い小ぢんまりとした素敵な造りだったのだが
私達の通された個別バンガロー式のお部屋はまた違った魅力で溢れていた
外観から氷造りなのは見て取れたのだが足を踏み入れれば真っ白な毛の長い絨毯が板上に敷き詰められていてそこが室内なのを忘れさせる様な銀世界の演出が為され
ガス灯が点在する薄明かりの室内は氷壁をそのままに輝かせて美しい青色が浮かび上がっていた
上品ながらシンプルな木製で統一された家具
広々としたリビングルームの天井は見上げればとんでもなく高く
そして壁一面のガラス窓から眼下に広がるクリンアイスの町はガス灯を揺らす暖色の光りに反射して全ての物がクリアブルーに輝く神秘の光景を見せていたのだ
昼間の太陽の輝きとはまた違い淡く浮かび上がる氷の世界はまさにファンタジーで
そんな光景を一望出来る贅沢な空間に私は込み上げる感動を抑えられなかった