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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第139章 温泉の湖とタイミング






私達が見ている先、見るからに楽しそうな雰囲気で笑っている家族は濡らした髪で面白い髪型を作って遊んでいたのだ


……あんなの真似せずにはいられない!!

……と言うかせっかく寒い寒い国にいるのだから経験しておくべきだとすら思う


「どんな髪型にしましょう!!」


「うーん。」


俄然乗り気で弾んだ声


纏め上げていた髪を二人してほどいて湯に浸けている……そんな今すらも楽しい!!


ちょんまげはどうだとかツインテールが良いなんて騒ぎながらも

彼は長い前髪をひとつに結んでポンパドール的な髪型に決め

私は馬鹿みたいにあちこち尖らせたウニの様な髪型に決めた


本当は彼にも思い切って変な髪型にして欲しかったけれど「私とお揃いに」と言い掛けた時の恐ろしい程の無表情に口を閉じてしまった

何を考えているのかその深意はわからなくても頑としてウニヘアーにはしないだろうと察した


……ポンパドールとは言っても前髪をピンと持ち上げている姿から随分楽しんでいそうだし、全然伝わって来ないが彼なりにはしゃいでいそうなので無茶振りして横槍を刺すのは懸命では無いだろう……なんて考えながらも


外気に触れた髪はみるみる温もりを失って完成に向けて膨らむ期待




「どれくらいで固まるでしょ!」


「さぁ、これだけ寒いんだからすぐじゃない?」


なんて会話を交わしてから髪が完全凍結するのは驚ほどに早く



「………沙夜子あれみたいだね、メデューサ。」

「イルミさんめっちゃ可愛いっ!!!前髪ピーンっ!!」



残念な事に私達の姿は写真には残らないけれど、彼は穏やかな表情を見せていて

楽しいこの時をずっと忘れない様に私は沢山笑った




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