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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第139章 温泉の湖とタイミング







奥まで泳いでみても何があると言う訳では無いけれど、じっとしているよりはずっと良いと思ったのだが



「却下。」



先程迄の無表情をどこに遣ったのか彼は露骨に呆れた顔をした

何も無い水辺でやる事と言えば泳ぐくらいのものだと思っていた私にとってそんな顔をされるだなんて想像もしていなくて


「何でですか……」


思いの外拗ねた声が漏れる


別に湖を一周しようなんて無茶は言っていないのに馬鹿だと言わんばかりにものを言う瞳に負けじと彼を見詰めれば


大きな溜息の後、彼は淡々と説明を始めた


「場所によって水温が違うんだよ。今いる南側が40℃、観光客に開放してるのはこの場所だけで北、西、東側が60℃、源泉が湧いてる中心部は約380℃、沙夜子は湖の奥に行くと死ぬ。」


息継ぎ無しのノンストップ

簡潔かつ明確な理由

最後に不穏な言葉で締め括った彼に私はわかりやすくご機嫌伺いの笑みを浮かべた


「………そ、それは大変………やめておきましょう………じゃあ前にプールで遊んだ足の下潜り抜けでもしますか!!」


世に言う手の平返しを決めた私を凝視する瞳に、はははなんて笑ってみるも


「却下。」


彼はまたしても提案を拒否した


「………そうですか……何しよう」


先程の事を踏まえて馬鹿な私にはわからないが何か理由があるのだろうと素直に引き下がった私だが

では一体何をするべきなのか手詰まりだ


安直な泳ぐというキーワードばかりがぐるぐると回り


水温が変わらない範囲なら平気なのではという発想に至る



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