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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第139章 温泉の湖とタイミング



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温泉湖は浸かってしまえばまさに極楽だった


寒い外気との温度差で熱くて入っていられないなんて事は起きず

チラチラと降る雪を捕まえながら白く煙る湯煙に幸せを噛み締める


いつまでもこの場所から動きたくないと思う程に心地好い雪国の温泉湖は特有の硫黄の香りを漂わせながら何処までも広く、沢山の人々で賑わっていて

見渡す限り雪が積もり木々までもが雪化粧に染まっているのに傍に広がる湖は尽きる事無く源泉が溢れ続けているなんて自然とは不思議だ


カラフルな浮き輪やビーチボールで遊ぶ水着姿の人々


光景だけを見ればまるで寒中水泳をする奇特な集団だが

40℃という絶妙な水温は極寒の中優しい温もりを伝えて

染み入る様な穏やかな気持ちと相反する賑わいにワクワクと弾む胸




「気持ち良いですね!」


「そうだね。」


「これが全部天然って凄いですね!」


「逆に人工じゃ無理でしょ。」


「確かに!……めっちゃ広いですもんね」



はしゃいで泳ぐでも無く只静かに湯に浸かっている私達だったが人々の明るい声に何だかじっとしているのが勿体無く感じて


「せっかくやから遊びましょうよ!」


なんて声を弾ませた私に彼はふぅと息を吐きながらも「何する?」と、快い反応を見せてくれた


浮き輪の類いは何も持たずにやって来た私達

……まぁ、ビーチボールがあったって彼に機敏に動かれてはゲームにもならないので無意味だが

遊ぼうと言っても何をするべきか暫く考えてみたけれど至ってシンプルなものしか出てこなかった



「………もうちょっと奥まで泳いでみるとか?」





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