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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第138章 クリンアイスとバイブレーション




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15:32




私は心臓を叩きながら深呼吸を繰り返している


「…………え…………どうしよ………出たくない……」




…………と言うのも今の私の格好は極寒に全くそぐわない布面積の水着姿なのだが


それだけでも銀世界へ飛び出すには勇気が必要な上に



………………必要以上に心底外に出るのが恐ろしいと感じる


そもそも何故水着なのかという話の前に先程私の身に起きた体験から振り返りたい…………










少し時間を遡り



クリンアイスの繁華街にてまったりと食事を終えた後

私達が目指したのは数あるトロッコ列車の中で港とは反対方向に路線を広げる列車


行き先はスノーランド


巨大氷の周囲には幾つもの村が点在しているらしく、辺鄙に感じるクリンアイスはその実驚くほど公共交通機関が整備されていた


ワクワクしながらも長いトンネルを抜ける列車

それだけ外壁の氷が分厚いのだと改めて感動しながらも

ものの数十分程で視界に見えたのはクリンアイスとは違い暖かな色をしたレンガ造りの家屋が点在する小ぢんまりとした村だった


特に観光する様な場所も無さそうなスノーランドだが私達の目的地ははっきりとしている


到着を知らせるレトロなベルの音に列車内に乗り合わせた殆どの人が立ち上がり皆一様に私達と似通った明るい会話を弾ませていて


その賑わいさえも楽しさを助長させた



「楽しみですね!」


「うん。」



のんびりとした流れの列を進み列車から降り立てば途端にキンと冷たい空気にブルリと肩が震えて

牡丹雪がハラハラと舞う空を見上げる



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