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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第138章 クリンアイスとバイブレーション






目指すはクリンアイス随一の繁華街
そこでショッピングと昼食を楽しむ予定なのだが

まるでおとぎの世界の様な美しい町並みはその道中の生活区域ですら魅力的で歩いているだけでワクワクが止まらない



所々建物の外壁が窪んでいて設置されているガス灯はきっと街灯なのだろう……だとか


住民の人々はソリに子供や荷物を乗せて引いていたり

はたまた大型トナカイに跨がり巨大なソリを引いているのは運送業の方だろうか……なんて


極寒の国特有の文化は見ているだけで素敵な光景で



キョロキョロと辺りに視線を走らせながら進む内に私達を迎えたのはまるで硝子細工の様に繊細で美しい氷像のアーケードだった


薄く掘られているのか建物とは違いクリスタルの様にキラキラと透明に輝き、観光で栄える繁華街の入り口を教える




「わぁ………綺麗…………」


「この気温じゃなきゃ作れないだろうね。」


「………そうですね」



氷点下の世界だからこそ美しい形を保つ繊細な形


それはこの町全てに言える事で

一際人通りの増えたメイン通りは個性的な線彫を浮かべる建物で溢れていた




「見たい場所があれば言うんだよ。」


「はい!」



ワクワクと弾む胸に声色まで明るく弾けて

チラリと見上げた彼の横顔もまたキラキラの瞳を覗かせている



そう言えば、彼は以前から歴史的建造物や私の世界では世界遺産なんてものに興味を示す傾向にあった


つまりこの国は彼にとっても夢の様な場所なのでは無いだろうか




ふと記憶に蘇ったのは旅行の行程を二人で決めた夜の記憶

彼は普段より僅かながら楽しそうに「行った事はないけれど氷の国があるんだよ」なんて語っていて…………



もう一度見上げた彼のくりくりの瞳にキュンと胸が高鳴る



はしゃぐ私の隣で彼はいつも通り冷静で物静かだけど本当はその胸の内は同じ様にワクワクしているのかも知れない……なんて



「ねぇ、あれは何だろう?」



不意に立ち止まった彼は一軒の小さな雑貨屋さんを見詰めていて


「入ってみましょう!!」


胸一杯に嬉しさが込み上げる私は満面の笑みで彼の手を引いた




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