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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第138章 クリンアイスとバイブレーション






係員の人達が荷物を積み込んで行く中、計らいで待遇されているのか一番に乗り込んだ私達



寒さを凌げる様にしっかりと窓は閉められているものの普通の電車より窓が広く景色を楽しめる様配慮された内装で

一番前に通された私達は車掌さん気分で前方まで見渡せる素敵な席だった


…………ついに始まった………………!!


ドキドキと高鳴る胸は只嬉しさだけを鳴らしてソワソワと出発を待つ



「イルミさん!今日は町の観光して温泉にも行くんですよね!」


「うん。」


「思ったより寒いですね!」


「……沙夜子にはそうだろうね。」



何の変哲も無い他愛ない会話ですら明るく弾んだ私の声に彼は溜息を付きながらも心無し穏やかな表情を浮かべていて

いよいよ出発したトロッコ列車は外観に負けず劣らずレトロな音を響かせながらゆっくりと走り出した



窓の外を見てみれば晴れ渡る青にキラキラと反射する雪の美しさに目を奪われる



とても穏やかで幸せな気分だ……



私の脳内に聞き慣れた音楽が自動再生され、ある番組を思い出す





「…………異世界の車窓から……今日はクリンアイスの波止場から出発します………」


「?」



私の脳に再生されていたのは"世界○車窓から"というマイナーな番組


世界中の鉄道を取り上げて各国の文化や歴史を伝える本当に短い番組だが
素晴らしい町並みや自然豊かな景色を映す画面を思い出し

私は今その番組の一場面に何気無く映り込む乗客の一人になった気分だった




「……………この番組はFujits○の提供でお送りしました」




「は?」





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