ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第138章 クリンアイスとバイブレーション
04月12日
砂漠で少し焼けた肌はもうヒリヒリと痛む事も無くなって
私達を乗せた船は真っ白な流氷が流れる極寒の海へとやって来ていた
次の目的地、氷の国クリンアイスはもう目前である……!!
昨夜から再び楽しい観光が始まる!と、はしゃぎまくった私はまさしく遠足前の小学生状態で
きっちり船内を満喫しながらもやはり異国に降り立つと言うのは胸弾むものだった
到着の汽笛が鳴り響く
テラスになんて出ていられない程の肌寒さ、陸地は一面に真っ白に輝く銀世界が広がり
砂漠とは全く違う装いで一回り大きなキャリーバッグをガラガラと引いて歩いた
10:30
呼吸をすれば白い息が空に登り踏み締めればギュッと雪が鳴く地面
今日も今日とてこの日の為に揃えてもらったファーが可愛いクリーム色のコートに身を包み
彼にプレゼントされた手袋を装着しながら自然と笑みが漏れた
そして彼の首で靡いているのは私がプレゼントしたマフラーで胸が一層キュンと高鳴り
「あのトロッコ列車で行くらしいよ。」
彼が視線で促した先には何も無い銀世界に場違いなレトロで可愛いらしい小さな列車が停車していた
「うわー!可愛いですね!!」
「そうかな。」