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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第137章 食べ歩く二人






…………さっきだって想像以上の美味しさに驚いたではないか………

食べられているのだからきっと大丈夫なのだと自分を奮い立たせながらも強烈な見た目に瞼を閉じたその時


バリボリッと大胆にトカゲを噛った彼の咀嚼音にギョッとした


…………めちゃくちゃ骨っぽい音がする……………っ


半分程を涼しい顔で召し上がる彼の姿を只凝視する数秒

まるでフレンチやイタリアンでも食べている様に上品に口を拭った彼は


「俺好きなんだよねトカゲ。」


衝撃的な言葉を発した



……………好き……………?


……………トカゲ……………?



なんて固まる私に尚も続ける


「前に砂漠に来た時に食べる物が本当無くてさ、長期だったしトカゲを焼いてみたんだよね。」


「……………………………………………………………………焼いてみたんですか………」


「うん。そしたら案外いけてさ、売り物ならもっと味も良いだろうと思ったけどやっぱりそうだった。」


「………………………はぁ……………」


「どうしたの、食べてごらんよ。」


「は、はい……………いただきます」



衝撃の事実………彼はトカゲを食べた事があったそうだ………

それもサバイバル中に野生のトカゲを焼いて食べただなんてワイルドにも程がある………

しかしグルメな彼がオススメするという事はやはり味に問題は無いのだと言うことで………




じっと様子を伺う静かな瞳を前に私は小さくトカゲに食い付いた



「……………ん?………んんっ?!」



パリッとした歯触りの後まるで鶏肉の様な柔らかさと脂、更に芳ばしい香りが鼻を抜けて


「……美味しい!え、めっちゃびっくりする!」


「でしょ。」


私は新たな味覚との出会いにある種の感動を覚えていた

彼に勧められなければ決して口にしなかったゲテモノは驚く程に美味だったのだ


「骨が多いし硬いからちゃんと吐き出しなよ。」


「はい!」


私の反応に観察を止めた彼は再びバリバリとトカゲを頬張り

私も彼に続いて夢中に成って食べた


見た目のインパクトから想像も付かなかった刺激的な発見に満ちた食事だったがこの先更なるカルチャーショックが待ち受けているだなんて想像も付かず………




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