• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第137章 食べ歩く二人



__________"




屋台にて購入したのは彼の希望であるラクダのお刺身、トカゲの丸焼きというゲテモノチックな品々

そして私の希望したよくわからないが食欲をそそる香りの丸い揚げ物と現地で愛されているミントティー


それらを持って少し路地に逸れた階段にて食べる事と成ったのだが

やはり彼は良い所のご子息様なので路上の階段で食事をするという事に少し抵抗がある様だった


別に辺りの人目を気にしたりする素振りは全く見せないものの


「他にテーブルがあるよ。」


なんて渋る態度を見せたのだ


しかしながら探した所でテーブルは無く、それどころか道端や階段にて普通に食事をしている人々を目の当たりにした私達は最初に見付けた階段へと戻って来た


そしてそうと決まれば思い切りが良いのも彼の良い所で

先程見せた些細な抵抗すら微塵も無い様子で悠々と階段に腰かける姿はそこが道端だと忘れさせる程堂々としていた



「いただきます。」


「いただきます!」


雑踏で溢れる路上にて手を合わせた私達が先ず足の早い生ものからと手を伸ばしたのはラクダ肉

なんでもこの地域では豚や牛に次いで食べられている常食肉らしくあちらこちらでその文字を目にしたが

ラクダという食べ慣れないものを生で頂くのには少々抵抗があった

パックに添えられた調味料は塩

ピンク味掛かった肉は程よく脂が乗っていて決して不味そうという訳では無いのだが……

何の躊躇いも無くパクリと一口頬張った彼に続き思い切って口に含めば思いの外の美味しさに目を見開いた


「んー!美味しい!!」


「美味しいね。」


ジューシーで脂の乗った肉は牛、豚、馬を融合した様な味で全くの臭みが無くほんのりと甘い風味は癖に成る味わい

常食肉だというのも頷ける一品だった

彼もお気に召したらしく上品ながらガツガツと胃袋に消して行き

私は渋っていたのが現金な程夢中に成って食べた




……………そして残されたトカゲの丸焼きにごくりと唾を飲み込む


別に全く美味しそうだからとかでは無く

見るからに姿をそのまま残した爬虫類を前にラクダを生で食すより怖じ気づいているからだ


律儀にも2本購入してくれた彼に差し出されトカゲが刺さった串を恐る恐る受け取る




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp