ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第24章 病的ルール
「コミックではどんな感じだった?」
背中を向けてコックピットで何かしらしている彼にその辺りが漫画に成っていたとやんわり伝えれば
「今はオークション時期じゃないし普段は観光で栄えた観光客も多い街だよ」
私の不安を見透かした様に言われて安心感が生まれる
何故だろう。
大好きだというのは勿論だが彼に言われると何もかも絶対的に安心感を抱くのだ
「………さて、」
なんて言いながら振り返った彼はパンッと手を叩くと
「到着迄半日は掛かる。何する?」
首をクリッと傾げる仕草にさらりと肩から落ちた髪が流れて彼越しに見ていた窓の外飛行船が浮いているのが解った
「……おぉ!飛んだ!」
「飛行船だからね。」
「……………凄い……私イルミさんの世界に来たんですね………」
窓の外を眺めながら染々呟いた言葉に彼は何も言わなかった
「この中探検したいです!イルミさんも一緒に!!」
弾んだ私の声に彼は短く「良いよ。」と返した
コックピットから出るとだだっ広いリビングルームが広がっていて大きいソファーが4つも有って高価そうな真っ白のテーブルは脚の部分に繊細な花柄の細工が施されていた
くるりと見渡せば私のアパートの部屋くらいの大きさのスクリーンに感動を通り越して引いてしまう
「…………デカイですね………」
ポツリと呟いた私に何も返さない辺り彼にとっての標準サイズなのかと思うと家のテレビは米粒を眺めているくらいの気分だったんじゃないか………なんて思ってしまった
リビングルームに付いていた扉を開くと広々としたキッチン
備え付けられた冷蔵庫の中には沢山の食材や調理不要の調理済み食材迄用意されており冷蔵庫の隣には沢山のお酒が用意されていた
「どれでも好きなのを飲んで良いよ。」
なんて背後から言った彼に
「乾杯しましょ!ご飯も食べたいです!」
と笑顔で答えて探検が終わった後に一緒に朝食を取る事に成った
キッチンを抜けると隣には広々とした空間の中央にキングサイズのベッドがドンと鎮座しており両サイドにテーブル、ベッドの前にはリビングルーム程では無いが大きいに違い無いスクリーンが用意されていた
「楽しいですね!」