ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第136章 天空の戦い
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サプライズドラゴンに大興奮してすっかり忘れていたが天空闘技場とは私の想像とは全く違う建物だった
私の知る闘技場………とは言っても実際は外観を眺めただけなのだが
皆お馴染みの歪な形をした高層ビルを思い描いていた私の目に映ったのは巨大な気球に吊られたコロシアムだったのだ
まさに天空の名に負けない壮観な見た目だが浮いている事が不思議なくらいの重厚さに些か不安である………
そして闘技場の名の通り会場には屈強な男性が犇めき合い観覧席迄縫い歩く内に段々と不安が生まれていた
天空闘技場とは対戦する両者のどちらかに賭けて楽しむ場所
そしてリングに立つ二人は生死を問わず勝者は勝ち上がり賞金が貰えるシステムだ
その時死亡する人だっている悪趣味なゲーム
以前彼は天空闘技場に行きたいと言った私に即答で拒否を示した事を思い出す
それが何故今このタイミングで彼に誘われるままにやって来ているのだろう…………
強い拒否を示した彼は確かに私を血生臭い場所から遠ざけたがっていた筈なのに………
コロシアムが良く見渡せる観覧席はVIP対応なのか半個室に成っていて驚いたが眼下に広がる石畳にはまだ誰の姿も無い
……………あの場所に彼も立つのかと思えば嫌に早まる鼓動
強い彼が誰かに……なんて想像は出来なくても絶対に起こらないとは言い切れない世界
「それじゃあ、行ってくるよ。」
なんて私の背中にサラリと告げた彼を振り返って衣装の腰巻きを掴む
「あ………あの…………」
怪我をしないでとかどうか無事でとか色々な思考が交差する頭
不安はどんどんと広がってそもそも何故こんな場所にいるのかなんて思えば巧く言葉に出来なくて
只彼の背中を見上げた先彼は悠々と振り返ると優しい指先で私の頬を撫でた
大きな瞳が私の不安を見透かす様に細められ目線を合わせる様に屈んだ彼はゆっくりと唇を開く
「町中で参加者募集のポスターを見掛けて開催日が今日だったんだ、単純に身体が鈍らないようにだよ。……それに、ムーシャの闘技場で殺しは御法度だから沙夜子が観覧しても問題無い。」
簡潔な言葉だけで紡がれた説明に私は漸くふに落ちた