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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第136章 天空の戦い






私は全く追い付かない思考を置き去りに唖然としたまま彼に手を引かれ


大きな黒いテントの裏手に連れられて映った光景に目を見開いた



彼の言葉を理解するより早く私が目撃したのは体長15mはありそうな赤い巨体に立派な羽が生えたドラゴンの姿だった


グリーンの鋭い瞳にうねり立つ角

そして荒く野性味満点の息遣いが聞こえて腰を抜かしそうになる



………異世界の動物は猿も馬もウサギでさえ私の想像を超えて行くのだからドラゴンがいても不思議では無いと漠然と思ってみても

架空の生物だという概念は簡単に消える事は無く、実際に間近で対面してみるとその現実味の無さに膝が笑う他無い



「さ、107番の方、どうぞ!」なんてお兄さんの声に悠々と歩み出す彼の背中


「何してるの、行くよ。」


然も当然の様に言われても私の足は圧倒的な衝撃から動かない


よく見てみれば荒々しい見た目とは裏腹に手綱と椅子を背中に固定されて随分と従順そうなドラゴンだが……


いや、………そもそも従順なドラゴンとは何なのか………


全ての出来事に混乱している今、私は何から彼に尋ねるべきなのだろう



「……あの………何故………ドラゴンに………?」



漸く開いた口から漏れ出した間抜けな声は一番に目の前に起きている事を整理しようとしていた


正直、私を危険から避ける彼が唐突に天空闘技場に行くと言い出した事も滅茶苦茶疑問だ

何故その様な経緯に至ったのか私には全く見当も付かず

脳は遡って一からの説明を求めていたのだが


振り返ってじっと視線を向けた彼は有無を言わず私の手首を掴み歩き出しドラゴンの背中へと強引に乗り込んだ




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