ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第135章 激しい愛と混乱の渦
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チャプンと水音が鳴り
力無い私は溢れて落ちそうな星空を見ていた
ぼんやりと視界が煙る湯煙が上がるジャグジーには香る薔薇が咲いている
「………イルミさん」
愛を重ねた後全てを包む様に優しいキスを繰り返した彼は私を抱いてジャグジーへと誘った
濡れた下着が転がった床もそのままに只震える身体を湯に沈め愛しい彼の名を呼べば
彼は涼しげな目元だけで返事をした
「明日も楽しみですね」
「そうだね。」
先程迄の野性的な姿が嘘の様に淡白な彼の声色に睫毛を伏せる
ただ浸っていたい
彼の普段言葉にはしない熱い気持ちにまだ触れていたい………
静けさを取り戻した室内に揺れるキャンドルライトに心地好い倦怠感
私はその気だるさをそのままに湯船の縁に体重を預けていた
「眠い?」
なんて言いながら傍に来た彼に緩く首を振りつつも幸福を伝える様に微笑めば、ぐんと縮まった距離
彼は一変しまだまだ尽きぬ熱をほのめかした
途端にドキリと跳ね上がる脈
「ねぇ……もう一回だけ」
首筋にちゅっと音を立てた唇にまだまだ余韻を含んだ身体に熱がぶり返す
「え……いや、でも明日も観光「無茶はさせないから」
耳元で甘く囁きながら緩く包まれた胸に早まる鼓動
「でもっ……!「ダメ……?」
長い指に掬われて重なった瞳が酷く悩まし気に揺れる素顔に
心底ずるいと思う
……何もかも解っているくせにそんな顔をするなんて……
私の気持ちの揺らぎなんて全て見越しているくせに………
「………駄目じゃ………ない………で………んんっ」
途端に言葉を止めたずるい唇
一瞬にして妖艶さを隠さぬ眼差し
大きな手が勝手知ったる様に身体を撫でる
全ての逃げ道をふさぐ様に背後から身動きを封じられうなじに甘い痛みが走る
この肌に彼の歯が突き立てられる事すらも愛しいと感じる私はきっと正常では無くて
まるで作り物の様に整った無機質な顔は天使と見間違う眩さを湛えながら
何処までも抜け出せない悪魔の様に淫靡な眼差しで私を射抜き
「大好きだよ、沙夜子」
私の身も心も
そして思考すらも支配する様に囁いた