ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第135章 激しい愛と混乱の渦
満月の光に照らされた砂漠は、幻想的という表現がぴったりだった
月明かりだけで砂丘の陰影がくっきりと出来上がり目に映るもの全てが薄っすら輝く世界に心奪われる
そして、そんな月に負けず落ちんばかりに輝く無数の星は天の川を作り夜空を流れ
プールに張られた水面に揺らぐ星はそんな美しい夜を閉じ込めた一つの絵画の様にキラキラと輝いている
最初こそ少し不適な雰囲気だった彼だがプールに入ってしまえば至って普通で
二人肩を並べながら静かに星を眺めた
生ぬるい夜風が心地好く髪を撫で
「あれが大流星の中心で……」なんて星座の話を続ける愛しい声に只耳を傾け
蒼白い月に浮かぶ彼を見詰めれば途端にうるさい鼓動
大きな黒い瞳に星を映して彼の双眼に広がる夜空
すらりと通った鼻筋、そして薄い唇からは美しい星座のお話が紡がれ
衣服越しには信じられない引き締まった胸元が水を滴らせていて
彼を形作る全ての造形の端麗さに思わず漏れた「綺麗」の言葉に
彼は星空を見上げたまま
「そうだね。」
と呟いた