ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第134章 アラビアンナイトに甘い予感
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21:07
私はそれはそれはしおらしく食事を堪能し、景色を眺め、彼を見詰めてはうっとりしていたのだが
彼に勧められるままお酒を飲んでいる内に素直な喜びが溢れ出しハイテンションに成った
それからは止まる事の無い今日の出来事の感想に花を咲かせ楽しくお喋りしている内に更にワクワクの展開に成っている
この部屋にはプールとジャグジーが備え付けられているのだが
何気なく見てみればプールは満天の星を映す鏡となりジャグジーにはゴージャスな薔薇の花が浮かんでいたのだ
こんなの入らない手は無い!!!と更に大興奮した私は何も考えずに
「プールで遊びませんか!!」
と元気に彼を誘ったのだが
「良いよ。水着無いけど。」
彼は無表情のまま事実を口にした
…………………確かに………。
確かに私達は水着を持っていなかった
正確には持っているけれど船に置いてきてしまっていた
キラキラと魅力的に輝く水面
……………彼と遊べたなら………………
(…………………クッ……………あの時何で不要と判断したんや……………ッ!!!!!!!)
水着を持って来ていたなら彼とまたひとつ思い出が増えた筈なのに………
激しい悔しさがこみ上げてどうにかならないものかと無い頭を回転させていると
バサリと背後から聞こえた布が落ちる音に脳が停止する
チャラチャラと響く音は確か彼が腰に付けていた飾りの音で
私は聴覚の全てを背中に集中しながらも動けなくなる
彼が同じ空間で衣服を取り払う事は普段に無い事
しかし明らかに聞こえる着替えの物音
彼はプールに入る事を快諾したけれど一体どういう対策があるのだろう……なんて最もらしく考えながらも馬鹿みたいに意識して
只石像の様に直立し、固まったまま動けずに過ごした数十秒
私の前に現れた彼は下着だけを身に付けた大胆な姿で登場し私は更に固まった
平然とプールサイドへ向かって行く背中にあれは水着姿なのかと錯覚する程威風堂々とした態度
惜し気も無く露にされた肉体をそのままに緩く此方を向いた彼は
「別に二人だし下着で良いよね。」
なんて淡々と言うと一足先にプールへと入ってしまった