ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第134章 アラビアンナイトに甘い予感
沢山のキャンドルが部屋を囲む様に揺れ照らす室内は神秘的な雰囲気に包まれ
いつの間にか豪勢なディナーが並んだテーブルは生花が鮮やかに咲き
そして眼下に広がるムーシャの街は暖色の灯りが無数に煌めいて浮かぶ美しい夜景へと変化していた
まさに絵に描いた様なアラビアンナイト
昼間とはまるで違う景色を見せる光景に感動し立ち尽くす私を彼は然り気無くテーブルへとエスコートしてくれて
席に付き彼と向かい合った時には馬鹿みたいに緊張していた
「いただきます。」
「………い、いただきます」
階段へとせり出した空間に用意された贅沢なディナースペース
キャンドルの淡い炎だけで部屋を照す演出
光に浮かぶ砂漠の街
そして見上げた夜空は彼が言った通りの美しい星を散りばめていて
全てがロマンチックな夜に私は嬉しさと気恥ずかしさと喜びで胸が一杯に成った
「冷めちゃうよ。」
なんて言いながら上品にフォークを唇へ運ぶ彼にクラリとして
「イルミさん……私幸せ過ぎる……死にそうです……ありがとうございます」
溢れる気持ちを乗せた言葉に彼は只柔らかい表情を浮かべ
最高の贅沢が沢山詰まったこの夜に泡が弾けるグラスを二人同時に傾けた