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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第134章 アラビアンナイトに甘い予感







ダボッとした白いズボンの上から二重に巻かれたダークパープルの布は然り気無い柄迄美しく、重ねられたシンプルな金色の装飾

肩から足首迄長く伸びた腰巻きと揃いの色のマントは裏地に柄を覗かせ

長身故に醸し出す圧巻のスタイルを際立たせている

カーキ色の服は広い丸首から大胆に鎖骨を見せていて
露出と言っても首元だけで殆どマントに隠れている筈なのに白い肌が余計に眩しい………



きっちりと纏められた黒髪は普段隠れた美しい輪郭を露にして

溢れる凛とした気品

そして妖しく交ざる色気が犯罪的な魅力と成って私を襲う


王子様だと言われてもすんなり信じてしまえる程に見目麗しい彼は印象的な瞳に私だけを映して真っ直ぐ此方に歩み出し


私は只見惚れて動けなくなった

熱く染まる身体は只彼の魅力に体温を上げて


本当に生きているのだろうか

この人は本当にこの場に存在しているのだろうか

なんてぼんやりしている内


目の前で立ち止まった彼は無機質な黒い瞳で私の身体に視線を巡らせた


ドキドキと騒ぐ心臓


注ぐ視線だけで溶けてしまいそうで目も合わせられず俯いた私に




「ふーん、悪くないじゃん。」




なんて一瞬にして妖艶な色を含んだ声色にくらくらと目眩がする



「さ、ぼーっとしてないで部屋に戻ろう。」




余裕な所作で大きな手が私の手を取ってその体温の低さに自身が今どれだけ赤く成っているのか考えずとも感じてしまい


私は黙って手を引かれたまま彼の魅力に失神してしまいそうなのを必死に耐えた




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