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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第133章 臆病な彼女を見詰める彼






もしかしたら私の思考を察した彼が私達の未来にまつわる何かを口にするのかと思った

そう思わせる様に彼は何か考え込む仕草を見せた後に小さな声を漏らしたのだ

胸は酷く締め付けられて固唾を飲んだ


しかし




キラキラと輝く大きな瞳の奥で多分ずっと魔法のランプの使い道を考えていた彼



「何か専用の物だよね。欲しがってたくらいだし沙夜子は用途を知ってるんでしょ?何の役に立つのあれ。」



途端に不安を感じていた事が馬鹿らしくなった

彼は純粋に今を楽しんでいるのだ

ならば私だって………


真剣に好奇心を燃やす世間知らず御曹司さんを前に私は笑い出してしまいそうなのを必死で耐える



………確かにポットと思っていたのなら余程小さく見えただろう………


何の役に立つのかと聞かれても雑貨だとしか言い様が無いが



「あれは急須と言います……急須はお茶を淹れる用途に使われます。…………と、特徴としましては……直接火に掛けないという事です……」



私は肩を震わせながらも真顔で嘘を付いた

理由としては真剣な彼が可愛いからからかいたかったというイタズラ心


すぐにネタばらしするつもりで口を開きかけて変な汗がタラリと垂れる

彼は小さく唸ると途端にすっと瞳を細めて私を真っ直ぐに見据えたのだ


…………………これは確実に……………




「今俺に嘘を教えたでしょ。」


「…………はい」



私のちょっとしたイタズラはネタばらしを前に終わった


本気で騙すつもりや、まして彼を馬鹿にするつもりは微塵も無かったが………普段より少し低い彼の声に身体が固まる



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