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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第133章 臆病な彼女を見詰める彼






「買う?」なんて私をじっと見詰める彼の視線を浴びながらも私がランプを手に取る事は無かった



……………私達には決まった拠点は無く飾る場所が無い


移動の度に持ち運ぶ物はきっとひとつでも少ない方が良い


………本当に今更ながら二人で思い出を飾る家が無いという事実はもの悲しい事だ


雑貨を購入しても日を浴びるのは世界を越えた先のアパートだろう


彼と増えた思い出を飾るその時私の隣に彼はいるのだろうか……


それとも…………



「いえ、もうちょっと他も見てみたいです!」


なんて無理矢理に笑顔で言った私に彼は只真っ直ぐな視線を向けていて


「そう。」


何を考えているのかわからない瞳が反らされた時ギュッと胸が締め付けられた


暫く無言のまま歩く


何故かソワソワと落ち着かない心は自身の切ない思考からかそれとも彼の視線が気になったからか



「あのさ……」


不意に漏らされた無機質な声に雑踏を遠く感じた理由はそれだけ彼の言葉に集中していたからだろう


同じ様に小さな返事を返しながらじっと彼を見詰める


彼が何を考えているのか知りたいと思う一方膨らむ不安


彼は鋭く私の感情の変化に気付く人だ

彼はあの瞬間に何を感じ何を思ったのだろう



一呼吸間を置いた彼が開いた唇





「さっきのポット小さ過ぎない?」





「…………………………」







私は新喜劇さながらにずっこけそうに成った


正確には片膝をガクッとしてしまったので関西人の反射神経は健在だ


いや、そんな事はどうでも良いのだが




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