ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第3章 彼を知る3ヶ月
「おかえり!」
「………ただいま」
母はいつも私を温かく出迎えてくれる
彼の居ない世界に泣く娘を心配しているのだ
心配ばかりかけてしまって申し訳無い気持ちもある一方で真実を知る母に甘えてしまう
「おらんなるって解ってても辛いやろうな」
なんて心に寄り添う母の言葉に私は涙が止まらないのだ
そして「ちょっとは食べなあかんで」と無理無い量で温かなご飯を出してくれる事が有難い
私が何時もの調子で泣きながらお酒を飲んでいると
「イルミ帰ってから死にそうやん」
なんて弟に不意に言われて頷きかけてぎょっとした
私の周りで真実を知るのは母のみの筈だ………。何故弟は彼の事を…………いや、外国で暮らしていた設定だし国に帰ったという事だろうか………それにしたって今確かに"イルミ"と言った…………
なんて考えていると
「隠すなよ、家族全員知ってるわ」
「…………?!」
「異次元から来たんやろ?」
「………え!!!!」
衝撃だった
何時から知っているのかと聞けば9月頃だと返された
更には家族全員という事は父も知っていたという事になる………