第8章 夏の思い出/スコッチ・降谷【警察学校時代】
景光side
「あれ、帰ってきたのか?」
風呂上がりに部屋に戻れば明らか不機嫌にベッドで寝転んでいた降谷。
「なんで〇〇に浴衣を着せた」
「降谷、好きだろ?」
「……襦袢越しに乳首見えた…エロいだろ、あれ」
「そこまで見てねーよ」
襦袢越しに見えたときには目を逸らしたし。
「抱きてぇ…」
「はは、ざまーみろ」
俺を疑うからだと言えば降谷に睨まれた。
「……〇〇…」
「その欲求不満顔、風呂入って流してこい」
「あーーーくそ、そうする」
タオルと着替えを持って部屋を乱暴に出るあいつに小さく笑う。
……少しだけ意地悪をしたかったんだ。
〇〇が浴衣の着付けを知らないと言った時。
最初はただ、俺が贈ったもので〇〇が喜ぶならと思ったくらいだったのに。
…くすぐった後の息が荒れて目が潤みながら見上げてくる姿は。
「人のこと言えねーな」
欲求不満。
…解消されることがない、欲求。
自慰行為で思い浮かべたら…あいつらの顔が見れなくなると思うと、情けなくなって興奮材料が少し落ち着く。
どうしようもないのに、〇〇の顔を…襦袢から透けた胸や涙目の顔を思い出して仕舞えば…しばらく抜け出せそうにないなと諦めて目を閉じた。
【終】