第4章 一目惚れ/降谷【思いつきのまま突発更新】
仕掛けられたのは男女混合の模擬捜査。
〇〇と俺が残って。
「…残っちゃったね…よろしくね、降谷くん」
手を差し伸べられても、それを繋ぐことはなくて。
二人きりで。
暑いね、と胸元をパタパタと仰ぐ〇〇の姿から目をそらして。
模擬捜査を早く終わらせてしまいたくて、一人で歩いていれば〇〇が俺の手をつかんで。
「…降谷くんはさ、私のこと見えてないでしょ」
声のトーンが、とても悲しげで。
「ちっこいのじゃなくて、いい加減名前呼んで私を見て」
…〇〇が、俺のことだけを見ていて。
俺に名前で呼べと言う姿が…抱きしめたくなった。
〇〇の手を払って背を向けて歩いた。
我ながら馬鹿げてるほど…顔に熱が集まるのがわかって。
「………え、もしかして風邪?体調悪かった?」
「〇〇」
「…降谷、くん?」
俺も、名前で呼んでほしいと。
…あいつと同じように。
「れい、だ」
「………零?」
拍子抜けした顔で見つめられると…
「零、…そっか、零か」
帰り道、無意味に名前を呼ばれて。
照れくさくて。
戻ってきた俺たちの顔が雰囲気が違うと、四人にからかわれて。
〇〇と俺の距離感が、ぐっと縮まった出来事。
景光と酒を飲んでいた日。
「告白しねぇの?」
あいつが突然そんなことを言った。
飲んでいた酒を噴き出して…睨む。
「…は?」
「〇〇、好きなんだろ」
「……関係ないだろ」
「俺も好きだって言っても?」
あいつの顔を見れば、真剣な表情をしていたから…
「だめだ」
言葉より先に感情が溢れてきて。
…肩を揺らしてあいつが笑って。
「冗談だよ」
「…なっ」
こんな冗談を言うやつだっただろうか、と思えば『前にからかってきたから仕返し』だと言って。
…応援する、と背中をたたくあいつの想いが、嬉しかった。
【中途半端だけど終わる】