第4章 一目惚れ/降谷【思いつきのまま突発更新】
入校式で。
混みあうだろうから早めに行こうと待ち合わせた幼馴染。
女に捕まって困ってるのかと思って声をかけた。
「おい、早く行かないと受付混み合うぞ」
「悪い、ゼロ」
「……誰だ、そのちっこいの」
俺たちの身長差のせいなんだろうけど。
怒ってムキになるその子をみて…昔見たの恋愛小説の言葉で借りるなら、好きになる音がした。
生まれて初めて一目惚れだった。
幼少期の初恋とは異なるこの気持ちに…
その子が、景光が言っていた“〇〇”だと紹介されて。
〇〇も見るからに景光のことが好きな様子だったし、関わりたくないとまるで中学生のように避けようとした。
…が、良いのか悪いのか。
あいつは成績上位。体力テストも上位。
いつの間にか、一緒にいることが多くなった。
「なぁ、〇〇のこと嫌いか」
「…は?」
「〇〇が気にしてたぞ。降谷くんに嫌われてるって」
「 ちっこい奴に興味ない」
「あんまりいじめんなよ」
「いじめてねーよ」
「降谷、まるで中学生みたいだな」
肩を揺らして笑うあいつに、誰のせいだって言いたくなる気持ちを飲み込んだ。
誰のせいでもない、女に振り回されるのもこいつと変な関係になるのが、不利益だと判断した。…それだけだった。
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